【備忘】湘南新宿ライン・上野東京ラインの違いを整理してみた

Introduction
先日、鎌倉からの帰路、湘南新宿ラインの車内でうとうとしていたところ、人身事故に伴う車内放送が流れてきました。内容は「上野東京ラインは東海道線人身事故のため横須賀線の線路を使って運転しています」とのこと。はてさて?一体どういうことなのか?毎回このあたりの電車に乗るときは湘南新宿ライン・上野東京ライン・東海道線・横須賀線がごちゃごちゃでよくわからず、そのたびにWikipedia等に調べてみるものの、結局 文字だけではよくわからず。よくわからないことは絵にかいて整理したくなる職業病(業務システム系ITエンジニアはよくわからない業務の流れや仕様を絵にかいて見える化しながら状況整理・調整をする)、実際にやってみた。
ざっくり解説
そもそも湘南新宿ライン・上野東京ラインとは、どちらも都心の北側を走る東北線系の路線(高崎線・宇都宮線)と南側を走る東海道線系の路線をつなぎ一体運行されるJR東日本の運転系統を指します。このうち都心の西側 新宿・池袋を経由するものが湘南新宿ライン、東側 品川・東京・上野を経由するものが上野東京ラインに当たり、新宿側か上野・東京側かの違いですよ、というのがざっくりとした理解であり、この2つの違いの解説の多くにこう記載されている。ところが実際のところはこの2つの路線は上記の分かれ道以外の部分であっても通っている路線や停車駅が異なり、また直通先も異なることが絵をかいてみてわかりました。
実際に整理してみた
実際にかいてみた絵がこちら。

上野東京ライン
湘南新宿ラインに比べるとこちらのほうがシンプルなので先に解説します。上野東京ラインは、
- 東北本線(宇都宮線)と高崎線が大宮を経由し、そのまま東北本線で東京へ
- 東京からは東海道線に直通し、品川・川崎・大船を経て小田原(一部は沼津)まで直通
する運転系統。直通のパターンは、
- 高崎線方面と東海道線方面
- 東北本線(宇都宮線)方面と東海道本線方面
の2パターン、北側 2 / 南側 1 のY字型。これだけならそんなに難しくないですね。
湘南新宿ライン
一方の湘南新宿ラインは、
- 東北本線(宇都宮線)と高崎線が大宮にて東北貨物線に転線、赤羽へ
- 赤羽にて山手貨物線に転線、池袋・大崎を経由に西大井へ
- 西大井にて品鶴線(横須賀線の線路)に転線、鶴見へ
- 鶴見から先
- 東海道線へ直通するものは東海道線に転線、大船を経て小田原まで直通
- 横須賀線へ直通するものはそのまま横須賀線の線路(旧東海道貨物線)にて大船・鎌倉を経て逗子まで直通
する運転系統。直通パターンは、
- 高崎線方面と東海道本線方面
- 東北本線(宇都宮線)方面と横須賀線方面
の2パターン、こちらは北側 2 / 南側 2 のX字型、転線が多く直通先が南北で異なることから結構複雑。
同じようで異なる停車駅の違い
上記のように経由する路線の違いから同じような場所であっても若干停車駅が異なる点も難しいポイント。
- 東北本線を経由する上野東京ラインは、さいたま新都心 / 尾久 に停車するが、東北貨物線・山手貨物線へ転線してしまう湘南新宿ラインはこの両駅に停車しない
- 東海道本線を経由する上野東京ラインは、川崎に停車するが、湘南新宿ラインは停車しない
- 一方で品鶴線(横須賀線の線路)側にしか駅のない武蔵小杉 / 新川崎には湘南新宿ラインは停車するが、上野東京ラインは停車しない
運行系統 | 大宮 | さいたま新都心 | 赤羽 | 尾久 | 武蔵小杉 | 川崎 | 新川崎 | 大船 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
上野東京ライン | 停車 | 停車 | 停車 | 停車 | - | 停車 | - | 停車 |
湘南新宿ライン | 停車 | - | 停車 | - | 停車 | - | 停車 | 停車 |
横須賀・総武快速線
併せて横須賀・総武快速線系統も触れてみます。こちらは、
- 千葉から錦糸町まで総武快速線、そこから東海地下線に転線し東京・品川へ
- 品川から品鶴線(横須賀線の線路)に転線し、西大井を経て鶴見、そこから横須賀線線路(旧東海道貨物線)進み大船へ
- 大船にて(本来の)横須賀線へ転線し鎌倉・逗子をへて久里浜まで直通
定義としては横須賀線は大船-久里浜間を指すそうですが、実際には東海道貨物線・品鶴線を含め横須賀線(の線路)と呼ぶらしい。
まとめ
長々と書いてしまったのでまとめます。
- 上野東京ライン
- 高崎線方面 / 東北本線(宇都宮線)方面と東海道本線方面をY字型に直通する運行系統
- 転線なく東北本線-東海道本線を進む
- さいたま新都心 / 尾久 / 川崎 を経由するが、武蔵小杉 / 新川崎 は通らない
- 横須賀線方面へは直通しない
- 湘南新宿ライン
- 高崎線方面と東海道本線方面、東北本線(宇都宮線)方面と横須賀線方面をX字型に直通する運行系統
- 大宮-大船間で転線を繰り返し、上野東京ラインと類似する区間も異なる路線を経由する
- 武蔵小杉 / 新川崎 を経由するが、さいたま新都心 / 尾久 / 川崎 は通らない
冒頭に記載した「上野東京ラインは東海道線人身事故のため横須賀線の線路を使って運転しています」とは、東海道本線の川崎-品川間が不通となったため、上野東京ラインの電車も鶴見で転線、品鶴線(横須賀線の線路)を経由に品川に至り、そこから東海道本線の復帰するという意味だったと思われます。やっと理解できた。
今は一旦理解しましたが、次 電車に乗る際には絶対忘れていると思うので、いつも通り自分用の備忘として残しておきます。
Wikipedia等の難解な記載を頑張って読み解いて自身の理解内容をまとめたものなので、もし間違いがあれば指摘いただけますと幸いです。
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